スマホのアプリ開発がやりたい!と思った方はネイティブアプリエンジニアに興味がおありでしょう。ネイティブアプリとは App Store や Google Play からインストールして利用するアプリケーションを意味します。つまり一般的な「スマホアプリ」ということです。
本記事では、これからフリーランスのネイティブアプリ開発エンジニアを目指す方に向けて仕事内容や必要なスキルを解説します。なお、スマホ OS は Android と iOS (iPhone) に絞らせて頂きます。
ネイティブアプリエンジニアの仕事内容

スマートフォン向けネイティブアプリとは
まずネイティブアプリについて改めて説明します。
ネイティブアプリは「App Store や Google Play からインストールして利用するアプリケーション」と先述しましたが、厳密には WebView というブラウザに該当する部品をアプリ化しただけのものは除いて考えます。
ネイティブアプリ開発はコストがかかったり、ユーザはアプリをインストールする必要があるなどのデメリットがありますがメリットとしては主に動作の高速化、安定があります。
ユーザにアプリをインストールしてもらっても、WebVIew で動作がもたつくなどユーザ体験を残ってしまうとアプリは使われなくなります。
逆にネイティブアプリで動作がキビキビしていれば、使ってて心地よくアプリ内に滞在する時間も長くなります。
滞在時間が長くなればアプリを通じた売上につながるため、費用対効果次第でネイティブアプリが開発されることになります。
Android ネイティブアプリ開発
Android 向けのネイティブアプリ開発では Java か Kotlin を使用します。
伝統的に Java が使用されてきましたが、現在は Kotlin が主流になりつつあります。
Kotlin は JetBrains社が開発したプログラミング言語で、Java の流れを引き継いでおり JVM(Java Virtual Machine)で動作します。
Kotlin のメリットとしては Javaのコードを流用して相互運用することが可能であることと、Javaよりも安全で簡潔に書けるということが挙げられます。Android のネイティブアプリエンジニアは Java か Kotlin を使用して Android 向けのネイティブアプリを開発するのが仕事内容となります。
iOS ネイティブアプリ開発
ネイティブアプリ開発の場合、iOS では Swift というプログラミング言語が使用されています。以前は Objective-C でした。
iOS のネイティブアプリエンジニアはプログラミング言語 Swift を使用して iOS 向けのネイティブアプリを開発するのが仕事内容となります。
クロスプラットフォーム開発
企業が提供するスマホアプリは iOS のみで使えて Android では使えないという状況はほとんどありません。
つまりスマホアプリを提供する企業は Android 向けと iOS 向けの開発を同時に行う必要がありますが、コストを抑えるために一元化したいと考えます。
その需要に応えるためにクロスプラットフォーム開発ツールが存在しており、Unity や Xamarin、cordova が人気です。また JavaScript(TypeScript)で書ける React Native などのフレームワークも存在します。
開発したアプリを Android と iOS 両方に対応する場合はいずれかのツールやフレームワークを習得して使いこなす、というのも仕事内容に入ります。
ネイティブアプリエンジニアに必要なスキル・経験

プログラミングスキル
いずれのプラットフォームを選択するにしても前述のプログラミングスキルは必要です。
各 OS で使用される言語の選択肢が少ないため、ターゲットを絞りやすいのはメリットかもしれません。
なお、iOS アプリ開発の場合は macOS が必要となります。
スマートフォン向け OS、開発環境の知識
プログラミングスキルだけではスマホアプリの開発はできません。
Android と iOS がアプリ向けに提供している機能や開発環境について理解する必要があります。
実際にアプリ開発を行う場合は開発環境の構築から始める必要があります。
スマートフォンハードウェアの知識
スマートフォンハードウェア自体の知識も必要となるケースがあります。特に Android の場合は各社各様で画面サイズや解像度が多岐にわたるため、表示崩れなどに注意が必要です。iOS は画面サイズが数パターンにコントロールされています。
画面サイズ以外にもカメラの性能や指紋認証など、ハードウェアが提供している機能について学んでおくと良いでしょう。
ネイティブアプリエンジニアに向いている人は?

専門性を高めたいと思っている人
アプリ開発の世界は習熟してきており、Android や iOS の深い知識がなくてもご紹介したクロスプラットフォーム開発ツールを使えば効率よく一定の品質で開発することができます。しかしながら、開発コストを掛けてでも品質を追求し、ネイティブアプリで最高のユーザ体験を提供したいと考えるケースもあるでしょう。
Android や iOS を深く理解し、UI / UX にも精通したスペシャリストを目指したい人がいているのではないでしょうか。
自作アプリを公開したい人
「ないなら自分で作る!」精神の人もネイティブアプリエンジニアに向いてると言えます。
個人でネイティブアプリを開発して公開できるようになれば、かなりスキルが高いと言えます。ヒット作が生み出せれば収入が期待できますしアプリ開発者として知名度を得られることにもなります。
ネイティブアプリエンジニアを目指す人が取り組んでおくべきこと

開発者向けのカンファレンスをチェックする
ネイティブアプリエンジニアを目指す場合、OS 開発元の開発者向けカンファレンスをチェックしたほうが良いでしょう。
Android を開発している Google 社は「Google I/O」、iOS を開発している Apple 社は「WWDC」という大規模な開発者向けカンファレンスを開催しています。
カンファレンスでは新しい技術のデモが行われたりします。
「そんなことがスマホからできるようになるなんて!」とワクワクするような体験を得てモチベーションアップにも繋がります。
おわりに
ネイティブアプリエンジニアの仕事内容や必要なスキル、その前にネイティブアプリとは何かについて解説しました。
ネイティブアプリエンジニアはスマートフォンが世に出始めてから生まれた比較的新しい職業です。
スマートフォンの次はタブレットが発表されたように、これからも新しいデバイスが発表され求められるスキルは変わっていくと予想されます。筆者個人としてはメガネ型デバイスに期待しています。
未来予想は難しいですが、ネイティブアプリ開発の基本的なスキルは一生使えますので興味があればまずチャレンジしてみることをおすすめ致します。
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