フリーランスでライター業をしたいと考えている人の中には、テクニカルライターに興味を持っている方も多いのではないでしょうか。テクニカルという言葉からハードルの高さを感じてしまう方もたくさんいそうですが、SEOライターやシナリオライターと同じく、テクニカルライターも特別な資格がいらない職業です。
今回はそんなテクニカルライターについて、仕事内容から必要なスキルまで、詳しく解説させていただきます。
フリーランステクニカルライターの仕事内容

テクニカルライターとは、専門的な技術に関するライティングを生業とする人のことを指します。これだけ聞くと、
「結局何をしているの?」と感じる方も多そうですね。よりわかりやすくいうと、世の中に溢れるさまざまな製品の取扱説明書やマニュアル、あれを書いているのがテクニカルライターです。一般のユーザーに向けたものは勿論、技術者や企業に向けたより高度な内容の仕様書などの作成を担当することもあります。このような案件はテクニカルライターの仕事の中でもマニュアルライティングと呼ばれています。わかりやすく、また、簡潔に文章を構成する必要がありますので、数あるライティング業務の中でも特に表現力が求められる仕事であるといえるでしょう。また、説明書には図などが入り、わかりやすく工夫されていることも多いですよね。テクニカルライターは、それらを含めた説明書全体の調整をも担当しています。
テクニカルライターの他の仕事としては、技術翻訳というものも存在します。海外製品の説明書を翻訳したり、日本製品の説明書を海外向けに翻訳したりする仕事です。こちらを担当する際には専門知識だけでなく語学力も必要になりますが、全てのテクニカルライターが両方の仕事を請け負っているわけではありません。テクニカルライターの仕事といえば主にマニュアルライティングを指すことが多いので、
「知識には自信があるけれど外国語は全然出来ない!」
という方も安心してください。
テクニカルライターに必要なスキルや経験

テクニカルライターには何が求められるのでしょうか。実際に今から目指したいという方にとっては、最も気になるポイントかもしれませんね。ここからは、テクニカルライターの仕事を請ける上で必要になるスキルや経験について、詳しくみていくことにしましょう。
まず何といっても必要なスキルとしては、正しい文章を作成出来ることが挙げられます。これはどんなライターにも共通する事柄なのですが、特にテクニカルライターにとっては重要事項になるでしょう。担当した説明書に不備があっては、使用者の事故やリコールに繋がってしまうこともあるためです。クライアントの信頼を守るためにも、この点はしっかりと意識した上で仕事に取り組む必要があります。
次に必要なのは、専門的な知識です。テクニカルライターはライターの中でも扱うものが特殊ですので、ある程度技術に関して詳しくないと執筆は難しくなるでしょう。勿論、対応する製品のジャンルは多岐に渡っていますので、全てに技術者以上の知識を持つ必要はありません。ただし、説明を受ければライティングに臨める程度の理解力は求められますので、豊富に知識を吸収しておくことに越したことはないでしょう。
また、テクニカルライティングをする上では読み手の気持ちになれること、も重要になります。読み手としては、その製品を初めて使う人、も想定しなければならないためです。知識が既にある自分の立場から書いていては、全くの初心者に内容を伝えることは難しいことが多いでしょう。あらゆる人が製品を正しく使えるかどうかは、テクニカルライターの想像力と共感力にかかっているともいえるのです。
テクニカルライターに必要な資格はあるの?
テクニカルライターとして活躍するために必要なスキルは、上記のようにたくさん存在します。しかし、テクニカルライターを名乗るために必須とされている資格はありません。場合によっては未経験からでもチャレンジ出来ますし、在宅勤務も可能です。
ただし、持っておくと有利に働くことのある資格、というものは存在します。
「未経験の上、無資格で目指し始めるのは荷が重い!」と感じる方はこの点についても覚えておくといいでしょう。具体的には以下のような資格試験を受けておくと、採用にもいい影響があるとされています。
◆ITパスポート試験
◆基本情報技術者試験
◆テクニカルライティング試験
特に、テクニカルライターの業務に関するテクニカルライティング試験は業務未経験者による受験も多く、知識の吸収に効果的です。機会があれば取得を検討してみるのもおすすめですよ!
テクニカルライターに向いている人の特徴

テクニカルライターへの転身を考えている人の中には、
「目指し始める上で自分が仕事に向いているのかどうか知っておきたい!」
という希望を持っている方もいるでしょう。そんな方のために、ここではフリーランスのテクニカルライターに向いている人、そして向いていない人の特徴について確認しておきます。
まずはテクニカルライターに向いている人からです。
- 技術への興味関心がある人
- 知識欲が旺盛な人
- 人に教えることが好きな人
- どんな文章でも書ける人
- 自己管理が得意な人
テクニカルライターの仕事の大半は、わかりやすさを追い求めることです。そのため、教えるのが好きで説明やプレゼンに自信を持っているなら、求められるテクニカルライターになれる可能性も大いにあるといえるでしょう。
反対にテクニカルライターに向いていないのは、以下の特徴に当てはまる方です。
- 特定のジャンルの文章を書くのが好きな人
- 技術への関心がない人
- 機械などへの苦手意識がある人
- 読み手への共感力に欠ける人
- 管理能力に自信がない人
テクニカルライティングを行う上では、独創的なアイデアなどが必要とされません。そのため、文章で表現したいことがある方は特に、別のジャンルに目を向けてみるのがおすすめといえます。
フリーランステクニカルライターになるには

フリーランスのテクニカルライターになるには、どのような道筋を追って行けばいいのでしょうか。最後に、今すぐに取り組むべきことについてもお話をさせていただきます。
まず、ライティングの経験すらないという完全なる初心者さんの場合は、ライターとしての実績を手に入れましょう。ライター経験を積んでいけば、技術に関わる仕事をしたことがなくても有利に働くようになるためです。クラウドソーシングサービスなどを活用すれば、未経験でも取り組めるライティング案件はたくさん募集されています。ランサーズやクラウドワークスなど、初心者でも使いやすいサービスに登録して、是非ライターとしての第一歩を踏み出してみてください。
すでにライターとして活躍されている方の場合は、先にもご紹介したテクニカルライティング試験を受けてみるのがおすすめです。資格も手に入れることが出来ますし、受験のための勉強をすれば業務の上で必要な知識を学ぶことが出来ますので、一石二鳥といえるでしょう。資格があれば案件にも自信を持って手を挙げられるようになりますので、ライターとしての実績を強固にしつつ、挑戦してみてくださいね!
おわりに
テクニカルライターになるには、さまざまな知識やスキルが必要です。しかし特別な資格が必須というわけではありませんので、意外にも敷居は低いといえるのではないでしょうか。興味があれば目指すことは十分可能ですので、是非頑張ってみてください。
方法としてはまず、クラウドソーシングサービスなどを利用してライターとしての経験を積むのがおすすめです。現在ライターとして活動されている方も、将来の展望としてテクニカルライターを考えてみてもいいかもしれませんね!
コメント