フリーランスプログラマとして生計を立てる場合、多くの人がプログラマを募集しているプロジェクトに応募することになると思います。
例えば別記事でご紹介したエージェント経由で応募したとして、自分のスキルをアピールするのに何をエビデンス(証明)とすればよいのでしょうか?
今回はプロジェクトマネージャーとしてメンバーの採用を経験した私が、採用側の視点で解説します。
プログラマのスキルの証明は難しい?

分かりやすいのは資格だが落とし穴も
スキルの証明として分かりやすいのは資格です。
プログラマ向けの資格はたくさんありますし、資格によって一定の技術力が担保されるので採用側も助かります。
ただ資格でのスキル証明には落とし穴があります。
それは採用側が資格のことを把握してないことです。
私の経験で印象的だったのは外国人プログラマの「日本語検定2級」です。2級の実力を把握してませんでした。
面接で話す分には問題なかったので採用としましたが、あとで調べてみると日本人でも間違うような日本語の問題でびっくりしました。外国語スキルとしてはとても高かったようです。このように「この資格があればOK」とはならないケースが多くあり証明とするにはコスパが悪い印象です。無理な資格取得は狙わなくて良いでしょう。
IPA が主催する資格は認知度も高く、受験料も安いのでコスパ良いかも知れません。
GitHubでソースコード公開?ハードル高い
プログラマなんだからソースコードみて貰えばスキルが分かってもらえるでしょうということで、GitHub などのホスティングサイトにソースコードを公開する方法があります。
確かにソースコードを読むことでスキルはわかりますが、これも資格と同じで採用側にソースコードを読んでスキルを判断するスキルと時間が求められます。
シニアエンジニアなどの職階がある組織でなければあまり使われない採用手法ではないかと思います。
マネージャーが採用を担うような多くの日本企業では一般的ではないと推測されます。
スキル証明は確かに難しい
このようにスキル証明は難しい作業です。
正社員の採用プロセスなら時間を掛けられますが、フリーランスでは難しいでしょう。
それならどうやってスキル証明するかというと職務経歴書と面談です。
私の経験から職務経歴書に書いておいた方が良いこと、面談で気をつけるべきことを解説します。
フリーランスプログラマのスキル証明、職務経歴書と面談

職務経歴書にある使ったツールやサービスの列挙で概ねスキルが分かる
職務経歴書にはこれまで使用したツールやサービスを列挙しましょう。”正規表現”など技術の名前も書いて構いません。例えば Java なら Eclipse を使った、フレームワークを使った、Linux を使った、などで概ねスキルが把握できます。
またバージョン管理システムやコミュニケーションツールの使用経験も判断ポイントになります。git や Slack の使用経験があると聞けばモダンな開発スキルがありそうと想像できます。
詳しく書く必要はありませんので列挙だけはしておきましょう。
プロジェクトの規模やポジションでも分かる
開発経験があるなら関わったプロジェクトの規模や経験したポジションについても記載しましょう。
プロジェクトの初期段階では細かいポジションは決めずにメンバーを採用することがあります。その時に経歴からコーディングだけか、リーダー的な動きやマネジメントもできそうかなど汎用性の高さを判断します。
スキルを証明する際に気を付けておきたいこと

ソースコード公開は権利問題をクリアすべし
難しいとは書きましたが、もしかすると何か見せられるものありませんかと聞かれるかも知れません。
その場合は参加したプロジェクトで作成したソースコードを公開するのはやめましょう。
比較的大きなニュースになったのでご存知の方も多いと思いますが、法的責任を問われる場合があります。
参考記事はこちら
公開するのは個人で開発したソースコードのみとしてください。
具体的な期間をアピールしよう
使用したツールやサービスについては期間を列挙しましょう。
それぞれの技術を1年以上使っていたり技術的な一貫性が認められればスキルがイメージできます。期間はざっとで構いません。細かいことは面談で聞かれたときに伝えれば結構です。
分かりやすい説明を考えておこう
面談では採用側が気にしていることを掘り下げて聞くことが多いです。
私の場合だと基本的な開発プロトコルを抑えてるか知りたいのでバージョン管理システムの使用経験や、今後の体制の中核を担ってもらえるか気になるのでリーダー経験について聞きます。
プロジェクトの背景等で大きく変わりますが、聞かれそうなことはシミュレーションするなどして準備しましょう。
おわりに
フリーランスプログラマがどのようにして自分のスキルを証明すればよいのか解説しました。
あまり難しく考える必要はありません。少し手間はかかりますが、自身の経歴やスキルことを棚卸しして分かりやすく伝えれば基本的に大丈夫です。
なお、採用側がみんな高スキルという訳ではありませんので、分かりやすく伝えてくれるかという情報整理もスキルとして見ています。
自己分析や棚卸しをしっかり行い、案件獲得に備えて準備しておきましょう!
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