フリーランスが巻き込まれやすいトラブルは、残念ながらたくさんあります。その中でも特に多くのフリーランスが経験していることといえば、契約に関するトラブルでしょう。特に初心者の内はどこに気をつければいいのかわからず、後から思い返したときに失敗だったと感じる案件を請けてしまう可能性が高いです。フリーランスに慣れてきた人でも、油断しているととんでもない内容を言い渡されてしまうことは考えられます。
今回はフリーランスの契約トラブルあるあるをご紹介させていただきます。具体的な事例から、契約の際に注意すべき点を学んでいきましょう!
フリーランスの契約トラブル:報酬の事例

フリーランスの契約トラブルにおいて最も遭遇しやすく、また想像もつきやすいのが報酬に関するものでしょう。悲しむべき事態ですが、約束した報酬が契約通りに振り込まれないという目に遭ったフリーランスはたくさんいます。
ある方は、問題なく成果物を納品したにも関わらず報酬が振り込まれなかったという体験をしています。クライアントに問い合わせたところ担当者が請求書の処理をうっかり忘れていたらしく、
「来月に回しますね」
と何事もなかったように言われてしまったそうです。ただでさえ収入が不安定になりやすいのがフリーランスという働き方ですから、1回の振込遅れだって大問題ですよね。報酬額が大きければ大きいほど痛手にもなってくるでしょう。
後からでも振り込まれれば、まだいい方かもしれません。完全なる未払いを経験してしまったというフリーランスも存在するためです。独自で契約を結んでいた場合、相手の連絡先すらわからないという状態に陥ることも考えられます。
これらの失敗をしないためには、契約時に報酬額だけでなく振込のシステムについても言及しておくことが求められるでしょう。連絡先など相手の会社情報や素性についても明らかにしておく必要があります。それでも不安だという方は、ランサーズなど各種クラウドソーシングサービスをメインに活動していくのがおすすめです。仮払いのシステムがあるサービスに登録をすれば、仕事をしてからクライアントに逃げられる心配は要りません。勿論その際も仮払いがされたことを確認してから仕事に着手するよう注意してください。連絡が取れなくなった場合は運営にその旨を伝えることが可能ですが、仮払いもされていなかった場合にはどうすることも出来ませんからね。
フリーランスの契約トラブル:修正の事例

フリーランスとして仕事をしていると、納品完了までに修正を頼まれることもあるでしょう。こちらの仕事に問題がある場合には、快く請けることが望まれます。
しかしこれに関しても、契約時には聞かされていなかったような修正を持ちかけられる、というトラブルが発生することがあります。例えば、初回納品後に何度も修正をさせられたり、契約時には細かく聞かされていなかったような仕事が追加されたりすることもあるのです。こんなことが頻繁に起こってしまっては大変です。別で請けている案件にも影響が出てしまうかもしれません。
私自身もライターとして活動を始めたばかりの頃に、構成は事前チェックなしで自由に設定していいという仕事を請け、失敗したことがあります。納品すると構成自体を大きく変えなければどうにもならない修正を言い渡されて、仕事量が大幅に増えてしまったのです。
このような経験をしないためには、募集されている仕事内容を事前によく確認しておくことが必要になるでしょう。大きな修正にならないような工夫を凝らしている案件や、修正が何回までと決まっている案件も多く存在します。作業内容が明確な仕事を選ぶようにすれば、これらのトラブルに巻き込まれる確率も減らせるはずです。
フリーランスの契約トラブル:内容の事例

フリーランスが遭遇しがちなトラブルとしては、契約した内容と実際の案件の内容に大きな差異がある、というものも挙げられます。
例えばあるフリーランスの方は、取材後1週間で初回納品と明記されている案件を受注しました。しかし、仕事が始まってみるとクライアントから翌日の納品を強く主張されてしまったといいます。これでは自分の想定していたスケジュールにも大幅な狂いが発生してしまいますから、鵜呑みには出来ませんよね。
このようなトラブルを避けるためには、事前の打ち合わせで双方の意志をしっかり確認しておく必要があるでしょう。メールやコミュニケーションツールを使い、相手から契約内容を引き出して、記録しておくことも重要です。電話など、口頭で済ませてしまうのは危険ですので気をつけましょう。
また、ライターをしていると構成案が用意されている仕事をお願いされることも多いです。そういう案件の場合、契約で3,000文字程度なら3,000文字程度で書ける構成を受け取ります。しかし、中には文字数超過分の支払いはなしで、どうやってもその文字数では書きあがらない構成案を渡してくるクライアントも存在するようです。私も1度だけ、どう考えても超過する構成を700文字でと依頼されたことがありました。
このように受注前に内容の違和感に気づけた場合には、断る勇気を持っておくことも必要かもしれません。初心者の頃なら、
「仕事を取り損ねた!」
と感じてしまうかもしれませんが、
「この契約失敗だった!」
という経験をするよりは、多くの人にとっていい結果になるでしょう。
フリーランスの契約トラブル:その他の事例

フリーランスの契約には、この他にも様々なトラブルが発生する可能性があります。
例えば、クライアントの都合に振り回される、という経験をしたことのあるフリーランスはたくさんいるのではないでしょうか。これには契約をしたのにも関わらず一旦保留を言い渡されたり、キャンセルを申し出られたり、などの事例が当てはまります。
私も実際に、何か月か継続して仕事をもらっていたクライアントからドタキャンをされたことがあります。声をかけてもらってからテーマを考え、それが通れば正式に発注、という手順を初回から踏んでいたため、何の疑いも持たなかったことが私の失敗ポイントだったでしょう。発注後に会社都合で、と反論の余地もなくキャンセルを言い渡されたため、テーマを考えた時間が全て無駄になってしまいました。一応大人の対応はしたものの、
「すみません!」
というマーク付きの一言で済まされたことに腹を立てていたため、心の中でありとあらゆる呪いの言葉を繰り返したことは言うまでもありません。初心者だった頃の私に、正式な発注までに何か作業のある案件を請けてはいけない、という学びを与えてくれた出来事です。
また、クライアントと連絡が取れなくなるというトラブルを経験している人も多いでしょう。私も契約の前段階で打ち合わせをしている際に音沙汰のなくなってしまった方が1人いました。納期に関して綿密な取り決めをしようとしたのが面倒だったのかもしれません。
「風邪でもこじらせたんだな」
と結論付けることで何とか心の平穏を保ちましたが、これが契約してからや納品してからであった場合にはやりきれません。
このように、世の中にはそもそも危険なクライアントというのも残念ながら存在します。そんなクライアントとは契約をしないように、見極める力もつけていくよう心がけましょう。
仮にもし自分では解決できない大きなトラブルが発生し、金銭的精神的な被害を被った場合には、法テラスなどの無料の相談機関を利用してみてはいかがでしょうか。
おわりに
フリーランスが遭遇してしまいやすい契約トラブルには様々なバリエーションが存在します。契約を結ぶ際には事前の打ち合わせをしっかりと行い、トラブルに巻き込まれないように気をつける意識を持ちましょう。経験を積み重ねながら優良なクライアントを選ぶ目を磨いていくことも重要です。
みなさんも契約トラブルには十分注意をしてください。問題なく楽しいフリーランス生活を送れるようになりましょうね!
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